ペットと楽しめる日本庭園づくりのポイント

監修者:Japanese Garden TV

日本庭園専門メディア「Japanese Garden TV」を運営。国内外の庭園取材や施工現場での知見をもとに、日本庭園の設計・施工・維持管理について分かりやすく解説しています。庭師や造園会社への取材ネットワークを活かし、実務に即した情報をお届けします。

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愛犬や愛猫と一緒に、庭でのびのびとした時間を過ごしたい——そう願う飼い主の方は多いのではないでしょうか。一方で、「日本庭園はペットと相性が悪いのでは」と感じている方もいるかもしれません。苔や繊細な植栽、砂利や飛び石など、日本庭園ならではの要素は、確かにペットの行動と衝突しやすい面もあります。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、日本庭園の趣を残しながらペットと安心して楽しめる庭を作ることは十分に可能です。この記事では、そのための考え方を紹介します。

ペットと日本庭園が抱えやすいミスマッチ

ペットと日本庭園が抱えやすいミスマッチ

日本庭園によく使われる苔は、見た目には美しいものの、踏みつけに弱く、ペットが走り回ることで傷んでしまいやすい植物です。また、砂利や玉砂利を敷いた部分は、犬や猫が掘り返してしまったり、誤って口にしてしまったりする可能性も考えられます。池を配した本格的な日本庭園の場合、水辺での事故やいたずらも心配な点です。さらに、繊細に整えられた植栽は、ペットが走り回ったり掘ったりすることで形が崩れてしまうこともあります。こうしたミスマッチを知らずに庭づくりを進めてしまうと、せっかく整えた庭がすぐに傷んでしまったり、逆にペットの安全が脅かされてしまったりすることにもなりかねません。まずはこうした特性を理解した上で、計画段階から対策を組み込んでおくことが大切です。

素材選びで両立を目指す

素材選びで両立を目指す

ペットと共存できる日本庭園を目指す上で、素材選びは重要なポイントです。苔を全面に敷き詰めるのではなく、ペットが行き来するエリアには踏まれても傷みにくい下草や、あるいは砂利よりも足腰への負担が少ないウッドチップや人工芝のような素材を部分的に取り入れる方法があります。また、玉砂利を使う場合は誤飲のリスクが低い大きめのサイズを選んだり、ペットが立ち入りにくいよう植栽で緩やかに区切ったりする工夫も考えられます。池を設ける場合は、深さを浅く抑えたり、柵で仕切ったりすることで安全性を高めることができます。すべてを伝統的な素材だけで構成するのではなく、ペットの行動特性に合わせて素材を選び分けることが、両立への近道になります。

ゾーニングでペットの行動範囲を考える

ゾーニングでペットの行動範囲を考える

庭全体を一様にペット対応にする必要はなく、「見せる庭」と「遊ばせる庭」をゾーニングによって分けるという考え方も有効です。たとえば、繊細な苔や植栽を配した鑑賞用のエリアは柵や低い垣根でゆるやかに区切り、ペットが自由に走り回れるスペースは別に確保するといった具合です。日本庭園には、もともと庭全体を一つの構図として捉え、視点の移動によって異なる景色を楽しませる「見せ場の切り替え」という考え方があります。この発想を応用すれば、鑑賞のための静かな空間と、ペットが元気に過ごせる活動的な空間とを、違和感なく一つの庭の中に共存させることができます。ゾーニングを工夫することで、庭の趣を損なうことなく、ペットとの暮らしを楽しむことができるのです。

安全に配慮した植物選び

安全に配慮した植物選び

庭づくりにおいて意外と見落とされがちなのが、植物そのものの安全性です。日本庭園でよく使われる植物の中にも、犬や猫が口にすると体調を崩してしまう可能性があるとされる種類が含まれていることがあります。ペットと暮らす庭を計画する際は、見た目や雰囲気だけでなく、ペットにとって安全な植物かどうかも確認しながら選んでいくことが大切です。心配な場合は、獣医師や信頼できる情報源に確認した上で植栽計画を立てることをおすすめします。安全性を確保した上で、四季折々の表情を楽しめる植物を選ぶことで、飼い主にとってもペットにとっても心地よい庭を作ることができます。

専門家と一緒に理想の共存を目指す

専門家と一緒に理想の共存を目指す

ペットと日本庭園を両立させる庭づくりは、一般的な日本庭園の知識だけでなく、ペットの行動特性への理解も必要になる、やや専門性の高いテーマです。自己流で進めてしまうと、せっかく整えた庭がすぐに荒れてしまったり、逆にペットにとって危険な要素が残ってしまったりすることもあります。そんなときは、日本庭園を専門とする庭づくりのプロに相談してみることをおすすめします。ZenGardenでは、日本庭園を中心とした庭づくりのプロデュースを行っており、ペットと暮らす家庭ならではの要望にも耳を傾けながら、素材選びやゾーニング、植栽計画まで含めたトータルな提案を行っています。「ペットと和の庭は両立できるのだろうか」という不安を、具体的な形にしていくお手伝いができます。

ペットと過ごす庭の時間をもっと豊かに

ペットと過ごす庭の時間をもっと豊かに

日本庭園というと、静かに鑑賞するための空間というイメージが強いかもしれませんが、工夫次第でペットとの賑やかな時間もしっかりと取り入れることができます。素材選びやゾーニング、植物の安全性への配慮を重ねることで、和の趣とペットとの暮らしを無理なく両立させることが可能です。大切な家族の一員であるペットと一緒に、庭で過ごす時間をもっと豊かなものにするために、理想の庭のイメージを少しずつ具体化していってみてください。

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